いつ・どこへ・どうやって。最適な移動方法を示すサービスが登場?


 東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への「問い」と、研究者からの「コメント」を紹介します。


気軽にパッといろんな所に行きたい!

 知らない町の行きたい場所、何を使ってどの経路で行ける?、電車とバス?、でもバスの乗り方分かるかな、前乗りか後乗りか、先払の均一料金なのか、整理券方式か、いや、バスの本数が少なすぎる?タクシーは高そうだし。いや、そもそも、そういうことを調べるのもめんどくさい、、、

 そんな不安だらけの時代は過去のものになるかもしれません。「出かけるゾ」アプリをオンにして行きたいところに行くだけ。予算や日常の希望をもとに、何時にどこへ行ってどう行ったら良いか、事前でも、その場ででも、随時アプリに相談すれば色々アドバイスしてくれるし、求めれば提案もしてくれる。いつどこで、電車もバスも、タクシーもレンタルバイクも、何に乗ろうとも、その都度お金を払う必要はない。あるいは、行き先の施設の利用も、食事も買い物もキャッシュレス。
 なぜ、そんなことができるか、って?路線図、時刻表、運賃表、運行情報、天気、気温、混雑や遅延の予測などビッグデータを組み合わせて、膨大な計算とAIで知識と知恵を持ったコンシェルジュアプリが、旅行会社のプロのように教えてくれる。それが時と場合に応じて的確なタイミングで的確に支えてくれるから。予定段階からいくらお金が掛かるか予め分かるし、センサと通信で、結果としてどこでどう行動したか自動で分かるので支払いも済ませてくれる。だからいちいち個別に支払いはしないで良いのです。

 こんな世界が究極のMaaS: Mobity as a Service、あらゆる移動全体をサービスとして捉える概念を具体化したものであり、徹底的なユーザ目線の思想であり、これを実現するに必要な要素技術も整いつつあります。
 データの実装、計算モデル、予測モデル、そしてHMI (Human Machine Interface)、つまり、人が「的確」と感じるような、アドバイスの内容やタイミングや、やり取りの仕方など、個別の要素技術開発には、まだまだ開発余地があります。法律や制度や社会慣習、あるいは初期投資、データやモデルの維持更新の仕組みなどのビジネス・事業の仕組みなどにも、様々な課題があります。

 でも、こうした技術は既に社会に実装される段階に来ています。乞うご期待!

大口 敬 教授

記事執筆:大口 敬 教授

 毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。
東京大学駒場リサーチキャンパス公開ウェブサイト
東京大学柏キャンパス一般公開ウェブサイト

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