音色を聴いて描いた原子地図


東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。


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桜色、空色、若葉色。川勝 英樹 教授が開発したカラー原子間力顕微鏡は、柔らかい色で原子の地図を描きます。
装置はシンプル。先端が原子1つ分という尖った針を、音叉のような素子に固定して振動させると、音が響きます。音とは言っても、蝙蝠にも聞こえない数百万ヘルツという高い音です。針先を対象に近づけて1秒間に数千回上下させると、表面の原子からさまざまな力を受けて素子がたわみ、音が揺らぎ、固有の音色が響くのです。この音色の特徴を、赤、緑、青の濃淡に置き換え、重ねたのがこの地図。表面が同じ原子や状態であれば、同じ音色、同じ色になるはずです。今後の発展に注目が集まる合金や触媒、分子やデバイス。その表面に並ぶ原子の特徴や動きを、色鮮やかに短時間で描き出します。

川勝 英樹 教授

記事執筆:松山 桃世 准教授

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