土地の声と先端技術を組み合わせ、オリジナルな神隠しを創作?


 東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への「問い」と、研究者からの「コメント」を紹介します。


「千と千尋の神隠し」の世界に行きたい!

 宮崎 駿 さんのあの世界を、千尋になって歩き回ることは、近い将来、簡単にできてしまうかもしれません。VRやARの技術が飛躍的に進歩しているからです。
 でも、皆さんが宮崎さんのような想像力を獲得するにはどうしたらよいでしょう?自分であんな世界を想像して旅することができたら、もっと楽しいですよね。
 それには土地の声に耳を澄ませることが大切です。例えば、あの映画の建物は世界各地の昔の建物をモチーフにしています。油屋は群馬県の温泉旅館「積善館」と言われ、食堂街は昭和初期に流行った看板建築、銭婆の家はハイカラとだけあってヨーロッパの民家です。また、油屋を訪れる八百万の神々は、かつての日本の人々の自然観の表れです。
 宮崎さんは、過去への想像力を逞しくして、開発で消えつつある土地の記憶を創作する達人なのです。

 林 憲吾 研究室では、アジアを中心に世界の建物や土地の歴史を研究しています。いわば土地の声に耳を澄ませる力を養っています。その力に、想像力が加わり、最先端技術と融合するとき、皆さん独自の神隠しができるはずです。東大生研はそれに挑むにぴったりな場所です。

記事執筆:林 憲吾 准教授

 毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。
東京大学駒場リサーチキャンパス公開ウェブサイト
東京大学柏キャンパス一般公開ウェブサイト

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