東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。
馳せる
なぜ、同じような地盤でも一様に液状化しなかったのか。なぜ、雨後数日たってから地すべりが起きたのか。清田 隆 教授は、災害後すぐに現地に馳せ着け、噴き出す土砂や崩れた崖に向き合ってきました。
地盤中の水や空気の量、土砂の種類や粒子のサイズ、そのかみ合い方や過去の自然環境など、複数の要素から今の地盤強度が決まります。数歩離れただけで特徴が異なることもあり、現地調査が欠かせません。研究室に戻ると、実験装置で仮説を検証。目に見えない地盤内部の構造とそこで起きた現象に思いを馳せ、かかる力、水分量や温度を調節し、現地の地盤を模した試験体のあちこちにセンサーを付け、広範囲にわたるひずみレベルの挙動を手がかりに災害の過程に迫ります。精緻な実験の積み重ねは、見逃されてきた災害要因の発見や、新しい対策手法の開発にも繋がります。
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清田 隆 教授
記事執筆:松山 桃世 准教授
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