東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への願いと、研究者からのコメントを紹介します。
巨大地震にも耐えられる家がほしい
私たちの住む家の設計に地震動を考慮するようになって約100年が経ちました。
その後も大きな地震を経験して、現在の構造物の耐震性は大きく向上しています。しかし、どんなに構造物が強くなったとしても、それを支える地盤が地震に弱かったら意味がありません。
清田研究室では、地震による地盤の破壊現象の一つである液状化の研究を進めています。地盤が液状化すると、構造物は沈下したり傾斜したりしてしまいます。それが傾斜地盤だった場合は、液状化した地盤の大きな流動変位に伴って、構造物も大きな被害を受けます。
そのようなリスク評価を行うため、私たちは地盤を構成する土粒子の構造にも着目して、液状化に対する抵抗性を正確に見積もる取り組みを行っています。また、液状化対策は非常に高価になりがちですが、一般の住宅にも適用可能で、かつ二酸化炭素の地中固定も実現するために、丸太杭を利用して地盤の密度を増加させる液状化対策工法の検討も行っています。
写真:2023年トルコ・シリア地震による道路盛土の液状化流動被害
提供:清田 隆 研究室関連記事≫ 地盤にかかる力を再現し、動きを捉える実験装置

記事執筆: 清田 隆 教授
毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、キャンパス公開で展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。
本研究室は、東京大学駒場リサーチキャンパス公開2025「生研ピックアップ企画」に選ばれました。
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