小さくて軽い家なら、強い地震もなんのその?

1mmの家_土屋 健介 准教授

 東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への願いと、研究者からのコメントを紹介します。


どんなに強い地震にも壊れない頑丈な家をつくってください!

 揺れに対する家の強さは、材質や構造だけでなく、家の大きさによっても変化するので、小さくて軽い家なら強い地震が来ても壊れないと思います。
 土屋 健介 研究室では、小さなサイズの組み立て技術を研究しています。ものの長さを100分の1にすると、表面積は1万分の1、体積や重さは100万分の1に減るので、日常の世界とは違うことが起こります。ですから、たとえばのこぎりではなくレーザービームで材料を切ったり、釘を打つのではなくワックスの粒で接着したり、ふつうとは違う作り方を考えなければいけません。そのような技術のデモンストレーションとして、25年前に1mmの大きさの家を作ったことがありますが、10mの家に比べると重さは1兆分の1になるので、地震が起こってもほとんど力はかかりません。これまでに大きな地震をいくつも経験しましたが、ヒビ一つ入らず現在も作ったときのまま建っています。

写真:1mmの立方体に収まるサイズの家
提供:土屋 健介 研究室

土屋健介准教授 生産技術研究所

記事執筆:土屋 健介 准教授

 毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。
東京大学駒場リサーチキャンパス公開ウェブサイト
東京大学柏キャンパス一般公開ウェブサイト

みんなのコメント

実現すると安心安全な暮らしに繋がり、人に対して負担の少ない生活が出来そうです。

その未来に期待

ますっち

小さくすることで壊れにくくなるという視点がなかったが、この技術を応用して何百世代も後の人たちに情報や技術を残すことができるかもしれないと思い、非常に面白いと思いました。

その未来に期待

ぽーりゃ

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