東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。
引き出す
ビックデータやAIの活用が進むほど、求められるコンピュータの性能。これまでは計算速度に多くの注目が集まってきましたが「そもそも計算対象となるデータをいかに効率よく引き出すか」が重要と語るのは、データプラットフォーム工学が専門の合田和生教授です。合田教授はデータへのアクセスに着目。アクセス速度を100倍にすることで、例えば、20分かかるデータ処理を約10秒で完了するシステムを開発しました。「電話帳に索引を付けるように、コンピュータの中もデータの整理整頓が大事です」。データが増えれば、探し出すのも一苦労。検索コストが肝となるのです。合田教授は「コンピュータの能力をさらに引き出すことで、コンピュータにかかる労力やエネルギーの無駄も減らしたい」と話します。その視線は、人類とコンピュータの未来を見据えています。

合田 和生 教授
記事執筆:堀川 晃菜(サイエンスライター・科学コミュニケーター)
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