東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、１つの動詞を切り口に紹介します。

つなぐ

コンクリートといえば、灰色で固く、無臭で冷たい、生命の対極にある存在。そんなイメージを覆すのが、ボタニカルコンクリートです。セメントの代わりに植物が砂と砂利をつなぎ、土木や建築の材料になります。イチョウなら黄色味を帯び、トマトなら赤く色づき、茶葉ならお茶の香りが漂います。

酒井 雄也 准教授は新しい「つなぎ」を探し続けています。道端の野草でも、大量に廃棄される木材の破片やプラスチックゴミでも、そして工夫を重ねればつなぎがなくても、強固なコンクリートを生み出せるかもしれません。砂と砂利さえあれば砂漠や月でも製造でき、野菜を使えば栄養価の高い非常食になる、建築物の定義すら変えうる新素材が生まれようとしています。

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【紹介研究者】
酒井 雄也（東京大学 生産技術研究所 准教授）
専門分野：持続性建設材料工学

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記事執筆：松山 桃世（東京大学 生産技術研究所 准教授）