東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への願いと、研究者からのコメントを紹介します。
洪水が起きない世の中になってほしい!
洪水の被害を減らすには、どんな方法があるでしょう?
洪水予報の精度を上げたり、堤防やダムを強くしたり、避難情報を工夫したり、いろいろな方法が考えられます。
いま「台風制御」という技術開発が進められています。台風の中の積乱雲にはたらきかけて、台風の勢いや進路を変える技術です。洪水を含む台風被害を減らすことを目指していますが、まわりの気象や生態系への影響、悪用される危険性や失敗の責任、自然との付き合い方の変化など、心配もあります。
松山 桃世 研究室では、法律や心理学、哲学の専門家と協力し、この技術が社会に使われる時に起こるかもしれない問題を探し、対策を考えています。大切にしているのは人々との対話です。高知県や和歌山県など台風が多い地域で話を聞くと、台風は被害だけでなく「恩恵」ももたらす存在だと考えられていることが分かりました。台風が具体的にはどんな恩恵をもたらしているのか、制御によってどのくらい恩恵が失われるのかも研究で明らかにして、議論に含める必要がありそうです。
新しい技術の開発をどんな方向に進めるか。専門家以外の人々の意見や価値観も取り込む方法を研究しています。

【記事執筆】
松山 桃世(東京大学 生産技術研究所 准教授)
専門分野:パブリック・エンゲージメント
2025年10月25日(土)東京大学柏キャンパス一般公開2025生産技術研究所 柏地区公開
生研柏地区特別企画「もしかする未来の研究者へ:東大生研で活躍する研究者の実態に迫る!」
本記事の松山 桃世 准教授が司会のトークイベントを行います!
日 時:10月25日(土) 11:00~11:45(本企画に対する事前予約は不要です)
場 所:東京大学柏キャンパス 生産技術研究所 柏地区 ホワイトライノⅡ
登壇者:羽田野 直道 教授、井上 純哉 教授、芳村 圭 教授(司会:松山 桃世 准教授)
概 要:~子どもの時になにしてた?、勉強は好きだった?大学の研究者って楽しい?普段はあまり知ることのない東大の研究者の実態に迫ります!~小中高校生、ご家族連れ大歓迎!
≫ 東京大学柏キャンパス一般公開2025生産技術研究所 柏地区公開 特設ウェブサイト
ぜひ足をお運びください!
毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、キャンパス公開で展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。
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もっと詳しい研究内容を知りたい方、疑問や質問がある方は、研究室のウェブサイトをご覧ください。
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