東京大学 生産技術研究所の卒業生のキャリアパスや近況、東大生研 在籍時における経験と現職のつながりなどを紹介します。
東大生研の砂田研究室で修士課程を過ごし、卒業後、警視庁科学捜査研究所に就職しました。科捜研の業務は、主に押収資料の鑑定と鑑定方法の研究開発です。押収資料の鑑定は、間違いが許されないという緊張感を常に持って行っています。職場の先輩から言われて印象深かったのは、「作業のひとつひとつが人の人生を左右する可能性がある仕事だ」、というお話です。特殊な職種であり責任が重い分、やりがいも大きいです。また、化学が治安維持に役立つことを実感できる喜びもあります。
東大生研では、毎日研究室メンバーと議論をしながら研究を進めていました。また、他研究室と交流する機会もあり、異なる研究分野同士での議論も白熱していたのを覚えています。交流を通じて、知らない識見に出会い、引き出しが増えていきました。現在私が扱っている「裁判化学」は、色々な化学を統合した分野でもあり、意外なところで生研時代に増やした化学の引き出しが役に立つことを実感しています。
また、研究室内の互いの意見を尊重し合う雰囲気は、辛いこともある研究生活の支えになっていました。当時のメンバーとは今でも連絡を取っては、各々の話を聞いて刺激をもらっています。そんな仲間との出会いも、東大生研で得た財産の一つだと感じています。
記事執筆:東大生研 物質・環境系部門 砂田 祐輔 研究室 卒業生
警視庁 科学捜査研究所 主事
東京大学 生産技術研究所の特徴のひとつとして、さまざまな専攻に所属する研究室が多彩な研究活動を行っており、また海外からの留学生等も多く国際色が豊かであることが挙げられます。
この記事は、大学院の進学先を探す理工学系の学生さんや、これから東大生研での活動を始める学生さんに、東大生研での活動・生活やキャリアパスを紹介する冊子「キャンパスライフ特集号」に掲載されたものです。
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