東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。
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貴金属やレアメタルのリサイクルは、なぜ難しいのでしょうか。電気・電子製品などのスクラップには、複数種の金属や化学物質が含まれています。現在は、一度すべてを溶かした上で、いくつもの薬品を使い分け、金属種ごとに抽出・分離をしています。しかし、この方法は、多くのエネルギーを要し、コストもかかります。そこで、電気化学が専門の大内 隆成 講師は、狙った金属だけを抽出・分離することで、エネルギー効率が高く、薬品の使用量も廃棄物量も最小限に留めるプロセスを目指しています。特に注力するのは、抽出しにくい金属。その性質を逆手にとった化学反応を用いて、ピンポイントに抽出・分離する新手法を開発しています。ものづくりが社会の“動脈”なら、資源循環は“静脈”だと語る大内講師。「ものづくりと資源循環が両輪で発展する社会にしたい」。大内講師の挑戦は続きます。
大内 隆成 講師
記事執筆:堀川 晃菜(サイエンスライター・科学コミュニケーター)
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