東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への願いと、研究者からのコメントを紹介します。
海洋ゴミを減らしてほしい!
海のごみをなくしたいという思いは、いま世界中でとても大切にされているテーマです。そして、そんな願いを持ってくれる人が増えることこそが、海をきれいにするための一番の力になります。
私たちの研究室では、海洋ごみやマイクロプラスチックの問題に取り組むため、いろいろな「デザイン」の力を使っています。デザインとは、ただ見た目をきれいにすることではありません。新しいアイデアで社会の課題を解決したり、「こうなったらいいな」を形にしていくことです。
たとえば、DLX デザインラボでは「PIGRA(ピグラ)」という紙でできたごみ拾いキットを作りました。これは自分だけの絵を描いてオリジナルごみバッグホルダーを作るもので、風で袋が閉じてしまう問題をデザインの力で解決し、楽しみながら地域でごみ拾いができるように工夫されています。
また、「OMNIデルタ」や「OMNIマイクロプラスチック」というプロジェクトでは、波消しブロックなどごみがたまりやすくて拾いにくい場所でも簡単にゴミが拾えるツールを開発しています。ワークショップには、これまで1,000人以上が参加しています。
海ごみの80%以上は、気がつかないうちに、街や川から流れてきます。だからこそ、「自分は関係ない」と思わずに、「自分にもできることがある」と感じてもらうことがとても大切です。
私たちはこれからも、誰もが「自分のアイデアで世界を少しよくできる」と思えるような道具やワークショップをデザインしていきます。あなた自身が未来の海を変える主役になることを心から願っています。
関連リンク≫ 河川・海岸・テトラポッドでのごみ拾いのための地域参加型デザインOMNI DELTA / 東京大学生産技術研究所DLX Design Lab (Youtube)
関連リンク≫ OMNI Microplastics Project
関連記事≫ 【記者発表】デザイン主導の市民参加型科学研究の可能性――環境問題へ親子参加で行動変容を促す新しいSTEAM教育プログラム――

記事執筆:マイルス ペニントン 教授
2025年5月30日(金)・31日(土)東京大学駒場リサーチキャンパス公開「生研ピックアップ企画」
本記事を執筆したマイルス ペニントン 教授の研究成果を、キャンパス公開でご覧いただけます!
日 時:5月30日(金)・31日(土) 10:00~17:00(本企画に対する事前予約は不要です)
場 所:東大駒場リサーチキャンパス S-1ギャラリー、S棟プレゼンテーションルーム
研究室:DLX Design Lab
テーマ:【展示】Science×Design – デザインの可能性
概 要:生研の研究者とのコラボレーションによるプロジェクトの体験型展示を実施し、各プロジェクトの紹介ムービーを随時上映します。
≫ 東大駒場リサーチキャンパス公開2025特設ウェブサイト
ぜひ足をお運びください!
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