東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。


束ねる

住宅地の屋根や山の斜面で、並んで輝く太陽光パネルをよく見かけます。日本の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2022年時点でおよそ18%。政府は、2030年までに36から38%まで上げることを目指しています。

達成には、電力需要を天候で乱高下する発電量と一致させる必要があります。馬場 博幸 特任准教授は、火力などの発電側での調整に限界を感じ、需要側での調整を目指して具体策を練っています。快晴時に電気自動車などにエネルギーを貯め、変動分を吸収する試みは小規模で進んでいますが、全国の電力需要は一億数千万kWレベル。数kW程度の機器では、千万台規模が束になってかからねばなりません。そこで、メーカーも種類も違うあらゆる機器をインターネットにつないで束ね、発電量の変動に応じて電気の消費量を制御し、電気の品質を保つ仕組みを研究しています。再生可能エネルギーの進退を決める、分水嶺となる研究です。

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馬場 博幸 特任准教授

記事執筆:松山 桃世 准教授

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