東京大学駒場リサーチキャンパス公開および東京大学柏キャンパス一般公開の来場者から寄せられた、研究者への願いと、研究者からのコメントを紹介します。


ゴミの出ない循環型社会で、地球温暖化を止めてほしい

小倉研究室では、二酸化炭素CO2、窒素酸化物NOxを回収し、水素によって還元することで炭化水素やアンモニアといった資源に戻す、元素循環型触媒化学反応の実現を目指して研究しています。

我々人類は、化石燃料を大量に燃やす資源消費の結果、得られる熱を電気などに変換し、快適に生活できるような社会を成り立たせています。この技術を内燃機関と言い、これで成立する社会を「酸化・消費型」社会と定義します。この燃焼(酸化)反応で最終的に排出されるのが、二酸化炭素CO2や窒素酸化物NOxなどの高酸化状態の酸化物です。これらは、気候変動や環境悪化を引き起こす物質としてもよく知られています。酸化・消費型社会に生きる我々が、熱と共に副生される物質によって自業自得で痛い目に遭う、当然の仕業と言えます。

今後の永続的な人類未来社会を創造するために、いままでとは真逆の「還元・生産型」社会を、少しずつ構築してゆかねばならないでしょう。この社会の実現のためには、水素がなくてはならないものとなります。太陽光などに代表される再生可能エネルギーを使って製造した水素が安価に得られるようになったら、酸化・消費型社会で排出されたCO2やNOxを、逆反応によって燃料や資源に戻して再利用したい!その思いに応える元素循環型資源回収・再生産反応に資する触媒および触媒システムを小倉研究室では開拓・設計しています。

ネガティブ・エミッションによる温室効果ガス(CO2、N2O)減少に貢献し、地球規模の気候変動は抑えられるか!?

Professor Ken Ogura

記事執筆:小倉 賢 教授

毎年6月初旬には「東京大学駒場リサーチキャンパス公開」が、10月下旬には「東京大学柏キャンパス一般公開」が実施されています。東京大学 生産技術研究所 広報室では、研究者たちが思い描く「もしかする未来」と、来場者が研究者にかなえてほしいと願う「もしかする未来」が交錯するオブジェを、キャンパス公開で展示してきました。この記事では、来場者から寄せられた願いに対しての、研究者からのコメントを紹介しています。

本研究室は、東京大学駒場リサーチキャンパス公開2025「生研ピックアップ企画」に選ばれました。

東京大学駒場リサーチキャンパス公開ウェブサイト
東京大学柏キャンパス一般公開ウェブサイト

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