東京大学 生産技術研究所で進められている研究の奥深さを、1つの動詞を切り口に紹介します。
拡げる
振り子が揺れています。この映像が「再生」か「逆再生」か、どうすればわかるでしょう。振り幅が次第に狭くなれば「再生」。振り子のエネルギーが、空気の摩擦などで失われていくからです。ところが、物理の研究のほとんどは、注目する系がまわりと関わりがないと仮定します。エネルギーは保存され、振り子は揺れ続ける、時間の向きがない世界です。
羽田野 直道 教授は、まわりとエネルギーをやりとりする世界で起こる現象を、理論的に再現しています。テーマは、非平衡統計物理学、非エルミート量子力学、非可換ゲージ理論など「非」がズラリ。仮定から解き放たれることで、まるで二次元から三次元へ視野を拡げるように、複雑な現実世界の本質が見えてきます。
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【紹介研究者】
羽田野 直道(東京大学 生産技術研究所 教授)
専門分野:量子熱・統計力学
2025年10月25日(土)東京大学柏キャンパス一般公開2025生産技術研究所 柏地区公開
生研柏地区特別企画「もしかする未来の研究者へ:東大生研で活躍する研究者の実態に迫る!」
本記事の羽田野 直道 教授が3人の研究者とトークイベントを行います!
日 時:10月25日(土) 11:00~11:45(本企画に対する事前予約は不要です)
場 所:東京大学柏キャンパス 生産技術研究所 柏地区 ホワイトライノⅡ
登壇者:羽田野 直道 教授、井上 純哉 教授、芳村 圭 教授(司会:松山 桃世 准教授)
概 要:~子どもの時になにしてた?、勉強は好きだった?大学の研究者って楽しい?普段はあまり知ることのない東大の研究者の実態に迫ります!~小中高校生、ご家族連れ大歓迎!
≫ 東京大学柏キャンパス一般公開2025生産技術研究所 柏地区公開 特設ウェブサイト
ぜひ足をお運びください!
記事執筆:松山 桃世(東京大学 生産技術研究所 准教授)
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